車評オンライン

『車評オンライン』では、弊社刊行の『車評』シリーズのオンライン版として、元RX-7開発主査で現在はモータージャーナリストの小早川隆治氏による、新型車の試乗レポートやイベントレポート、自動車業界についての論評をおとどけします。


車評オンラインは以下のページに移りました。今後は以下のページをよろしくお願いいたします。

http://www.mikipress.com/m-base/syahyo/

論評21

9月24日号の週刊東洋経済が「日本車が消える 国内生産崖っぷち」というタイトルで円高に起因した日本の空洞化を特集、開発、生産の急速な海外移転を予測している。一方でアメリカのコンシューマーレポート10月号が小型経済車を評価した結果を公表、ヒュンダイのエラントラがセダン13台中のトップに輝くとともに、新型シビックがびりから2番目となり長年獲得してきた「リコメンデーション」(お勧め)からも滑り落ちてしまった。今回は「生き残りをかけた日本のクルマづくり」をテーマに車評メンバーでいろいろと話し合ったのでその結果をご紹介したい。


第26回

マツダデミオ13-SKYACTIV、ホンダフィットハイブリッド、VWポロTSIハイラインの実用燃費を含む同時比較を車評コースで実施した。ハイブリッド、小排気量直噴過給エンジンはこれまで何度か評価の土台にのせており、それぞれのメリットには納得しているが、今回の評価を通して「スカイアクティブテクノロジー」という内燃機関の革新を中核とする「優れた環境安全性能」に加えて「走る歓び」の実現を目指したマツダの新しい挑戦も大変意義あるものであることが確認できた。


論評20

資源、環境問題への対応としてハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車などに話題が集中しているが、今後も当分の間内燃機関が主要動力であり続けることは間違いない。マツダでは「スカイアクティブテクノロジー」とよぶ内燃機関を中核とする次世代技術を開発、第1弾としてデミオ13-SKYACTIVが導入された。今回は「スカイアクティブテクノロジー」の簡単な概要とデミオの箱根試乗会における第一印象をお伝えし、次回はハイブリッド車などとの実用燃費を含む比較評価結果をご報告したい。


論評19

時が経つのは早い。マツダがルマン24時間レースに優勝して20年が過ぎた。今年はルマンの主催団体ACOの特別なご厚意により、期待をはるかに上回る記念行事が行われ、当時の関係者が集い、フルレストアされた787Bのハンドルを優勝ドライバー、ジョニー・ハーバート、俳優パトリック・デンプシー、寺田陽次郎、デイビッド・ケネディーの各氏が握りデモランした。今回はその一連の行事をアルバム風にご紹介してみたい。


論評18

多くの世界でマイスター(巨匠、達人)といえる人の存在は大変貴重であり、クルマづくりの領域も例外ではない。今回は、プリンス自動車工業、日産自動車、さらにはオーテックで総合商品性という観点からクルマづくりに携わり、オーテック時代にマイスターとタイトルを持たれていた中島繁治氏の足跡を振りかえるとともに、次回は日本車の進むべき道を共に語らってゆきたい。


論評17

昨年後半「論評11」で日本のスポーツ・スポーティーカーづくりの歴史の深さに触れるとともに、その蓄積を活用しつつ全てのカテゴリーで、「世界に冠たる右脳にアピールするクルマ」を実現してほしいと述べたが、今回は日本の自動車産業の現状に対する私の危機感と、その生き残りをかけてのクルマ作りに対する発想の転換の必要性をもう一歩踏み込んでお伝えしたい。


論評16

東日本大震災により多くの方の尊い命が失われた事に深い哀悼の意を捧げると共に、被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げます。また今回の震災が日本自動車産業、さらには日本経済に及ぼす影響は甚大で、一日も早い日本の復活を心から願っています。
今回の車評オンラインでは三樹書房から震災直前に刊行された、『ポルシェ911 空冷ナローボディーの時代 1963〜1973』というヒストリーブックを執筆したブライアン・ロング氏とこの本のさわりをご紹介することにしたい。


論評15

前回はロータリーエンジンが出場出来る最後の年となるはずの1990年のルマン24時間レースにむけての果敢な挑戦と惨敗に終わった結果を振り返ったが、レース直後に競技規則変更が1年延期され、思いがけずもう一年挑戦する機会が与えられた。その1991年のルマンで念願の日本車初の総合優勝を手にすることになるが、今回の最終回では、この最後の挑戦への取り組みの一部を、当時のマツダ関係者の証言を交えて報告したい。


論評14

前回はマツダスピードによるルマン挑戦の1987年までの足跡を簡単に振り返ってみたが、今回は、3ローター、4ローターエンジンの開発を中心に、1990年までの足取りを、これまであまり活字になったことのない当時の関係者の証言も交えて報告したい。現在日本のクルマづくりは将来への生き残りをかけた大きな転機に立たされているが、これらの証言の中に見えてくる強いリーダーシップや、技術開発への情熱など参考になることが少なくないはずだ。


論評13

今年(2011年)20周年を迎えるマツダのルマン24時間レース優勝に至るまでの長き道のりを、当時の関係者の証言も交えながら3回に分けて報告するとして、前回はマツダにおける60年代、70年代のモータースポーツ活動を中心にまとめたが、今回は初代RX-7導入後のアメリカを中心とするモータースポーツ活動の簡単なサマリーと、ロータリーエンジンのルマンでの苦闘の歴史をさかのぼり、次回は、勝利への道筋を当時の関係者の証言を交えながらご報告したい。


論評12

81年のスパ・フランコルシャン24時間レースで、RX-7で総合優勝、マツダで7回もルマン24時間レースに挑戦してくれた旧知のベルギー人のジャーナリスト兼レーシングドライバー、ピエール・デュドネ氏が、来年のマツダのルマン優勝20周年を記念して、マツダのルマン挑戦史を発刊すべくこのたび取材のために来日、多くの当時の関係者とのインタビューに同席することが出来たので、今月を皮切りに3回にわけて、ルマン24時間レース優勝に至るまでの長き道のりを当時の関係者の証言を中心に報告したい。


25回

2004年11月に誕生した先代スズキスイフトは、日本、ハンガリー、インド、中国における同時生産立ち上げを実現、以来生産拠点は8か所に拡大するとともに、その魅力的なスタイリングと走りの気持ち良さは世界120カ国以上で評価され、これまでに約180万台が生産されてきた。スイフトは今やスズキにとって最も重要な世界戦略車だが、今回そのスイフトが一新され、箱根での試乗と開発責任者とのインタビューに加えて、長距離評価する機会がもてたので報告したい。


論評11

去る9月26日、スポーツカー愛好家有志による「スポーツカー・フォーラム実行委員会」の企画、運営による「第1回スポーツカー・フォーラム2010」が横浜で開催された。場所はマツダが横浜R&Dセンターを提供、当日はインターネットで応募した150人を超えるスポーツカーファン参集し、スポーツカーの楽しさや存在意義について話し合った。私も「右脳にアピールするクルマづくりを」というテーマで話をさせていただいたので、今回はその要約をお伝えしたい。


24回

2代目ホンダフィットは第4回、新型VWポロの1.2L TSIエンジン搭載車は第22回の車評オンラインですでに取り上げてきたが、新型ポロは走り、燃費、運転の楽しさ、気持ち良さ、内装を中心とする質感などが素晴らしく、今回、現在の日本製小型車の代表ともいえるフィットと同時比較するチャンスが得られたので、大幅な円高の進行、欧州車の進化、韓国車の躍進、中国市場の急速な拡大、そして世界的に加速しているダウンサイジングの流れなど日本車を取り巻く環境が激変する中での、今後の日本の小型車づくりの課題を探ってみた。


23回

初代シトロエンC3、は2002年に誕生以来200万台以上が世界で販売され、日本市場にも導入されたが、2008年に一旦日本への輸入は中断、2010年5月に2代目のC3として日本市場に再導入された。VWポロやプジョー207などをライバルとする新型シトロエンC3の最大の特色は、新しい内外装デザインと、中でもドライバーの頭上後方まで広がる「ゼニスウィンドー」と呼ぶフロントウィンドーで、(同種のものは既にシトロエンピカソに採用されているが)、クルマに乗ることの喜びに対する新鮮な提案だ。車評メンバーととともに、車評コースでポロとの同時評価を行ったので、前回のポロに続いて今回はC3に関する報告をしたい。


22回

5世代目のVWポロが日本市場に導入されたのは2009年10月、1.4Lの自然吸気エンジンと7速DSGが組み合わされたモデルは6000台近くが販売されたが、2010年5月、待望の1.2L TSIエンジン搭載車が導入された。車評メンバーととともに、車評コースでシトロエンC3と同時評価、加えてポロで500km近い長距離評価も行うことが出来たので、まず今回はポロに関する報告を行うが、従来のクラス概念を超えた、大変魅力的なクルマに仕上がっていた。


論評10

時計の針を戻してみるとスポーツカーが日本車の得意分野であった時代もあったが、地球規模でエコノミーカー&エコロジーへの関心が拡大、経済が低迷、価格が上昇し、加えて日本では「若者のクルマばなれ」もはげしく、スポーツカーの世界市場は近年大幅に縮小してきた。前々回はホンダのCR-Zの評価結果、前回はホンダCR-Z、マツダロードスター、スズキスイフトスポーツの同時評価の結果をご紹介したが、今回はそれらの結果も踏まえながら「スポーツカーは今後も生き続けるか?」を論じてみたい。


21回

「エコノミーカー&エコロジーカーの時代に、スポーツカー、走ることに喜びを感じるクルマ、感性を刺激するクルマは存在し得るか」を検証すべく、ホンダCR-Z、マツダロードスター、スズキスイフトスポーツというジャンルの異なるコンパクトスポーツモデルの同時評価を車評メンバーも交えて実施した。今回は3台の評価結果を、次回は今後のスポーツカー、あるいは走ることに喜びを感じるクルマに関する論議をしたい。


20回

地球温暖化、省資源への対応などクルマを取り巻く環境が大きく変わりつつある中で、ホンダからコンパクトなハイブリッドシステムを搭載したCR-Zが導入された。「エコカー時代にスポーツカーとよべるクルマは存在し得るか」を検証すべく、CR-Zの総合評価に加えて、車評コースでジャンルの異なるマツダロードスター、スズキスイフトスポーツとの同時評価も実施した。今回はまずホンダCR-Zの評価結果を、次回は3台の比較評価結果と今後への期待を、次々回はエコカー時代のスポーツカーの在り方を論議したい。


19回

第29回目となるJAIA(日本自動車輸入組合)主催の輸入車試乗会が2010年2月8日〜10日の間大磯で開催され、今回は83台の最新の輸入車が準備された。試乗日と試乗希望モデルは事前に申し込む方式で、試乗できる台数と時間は限定されるが、今回はアウディA5スポーツバック、BMW X6 M、BMW 135i クーペ、ポルシェ パナメーラS、フォルクスワーゲン シロッコRの5台に試乗することができた。以下それぞれのモデルの短評をレポートしたい。


18回

2009年12月、スズキの新型アルトが導入された。1979年に導入された初代アルトはシンプルなつくりと、自動車業界初の全国統一価格47万円という思い切った価格で大きなインパクトを与えたが、あれから30年、今回のアルトは7代目だ。新型ワゴンRなどとプラットフォームを共有しつつ、「愛着がわくフレンドリーな」内外装デザイン、更には一部車種への副変速機付きCVTの採用などによる走りと燃費の改善を盛り込み、「日常のパートナーとしてはこれで十分」と言える軽自動車に成長した新型アルトを今回はレポートする。


17回

2008年4月に日本に導入された6代目となるVWゴルフは、決して派手なモデルチェンジではないが、導入後の試乗会の印象が強く、是非総合評価をしてみたいと考えていた。今回一部の車評メンバーとともに「車評コース」も含めて商品性を評価、同時に実測燃費も計測することが出来たのでその結果をご報告したい。一言でいえば、「お見事!」といいたい進化であり、日本のこれからのクルマづくりにも大きな示唆を与えるものだ。


論評09

地球温暖化対策、省資源、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の急速な発展などにも起因し、今後の日本のクルマづくりには大きな変革が求められている。現在、話題の中心はハイブリッドと電気自動車だし、プレミアム化路線も大切だが、ダウンサイジングも必須だ。近年の軽自動車の進化は著しく、今後の更なる燃費の改善や軽量化、更にはデザインの革新などによっては「グローバル(世界に通用する)軽」の実現も可能なはずだ。今回は「新しい扉を開ける軽自動車?」というテーマで軽自動車の意義を見直してみたい。


論評08

今年で41回目を迎えた東京モーターショーは、昨今の経済状況に加えて近年の若者のクルマ離れなどから低迷が予測はされたが、来場者が目標の100万人を大きく下回る61万人強という結果で終わった。複数の新型スポーツカーの展示には休日に人垣ができたものの、ハイブリッドと電気自動車が主役で、外国メーカーの展示は事実上無いに等しく、展示ブースも各社の収益状況をあたかも反映しているかのようだった。市場の低迷と若者のクルマ離れがますます深刻さを増す中で、大きな課題を残す東京モーターショーとなった。


16回

昨年秋以来の大幅に縮小した日本の自動車市場の中で、軽自動車は善戦しており、販売台数の多いモデルはダイハツの場合、ムーヴ、タント、ミラ、対するスズキはワゴンR、アルト(ラパンを含む)、パレットだ。2009年8月、ダイハツがアルトラパンに近いコンセプトの軽自動車ミラココアを導入したが、このモデルはムーヴのようなトールワゴン、さらにはミラのような標準的なハッチバックとは異なるもので、今後の日本の市場の動向と商品の育成いかんによっては、軽自動車のメジャーなカテゴリーのひとつになっても不思議はないと考え、アルトラパンと比較評価してみることにした。


15回

コスモスポーツは1967年に導入されたマツダのロータリーエンジン(以下RE)搭載第1号車だが、「コスモスポーツオーナーズクラブ」は32年前に誕生、今日でも積極的なクラブ活動を展開、近年は国際的な広がりも見せている。ドイツの熱烈なREファン親子の一年半前の来日が発端となり、今夏ドイツで「マツダコスモ国際ミーティング」が実現したので、今回の車評オンラインでは、その一端を、写真を中心に皆様にご紹介したい。


論評07

ホンダインサイトは今年2月はじめ、3代目トヨタプリウスは5月半ば導入された。インサイトのインパクトはなかなかのものだったが、プリウスの予想を大幅に下回る思い切った価格戦略によりプリウスに話題が集中、導入約2ヵ月で25万台近い受注をするという異例の幕開けとなった。昨年秋以来、大幅ダウンした日本の新車市場において、ハイブリッド車だけが例外的に話題を独占しているといってもいい。今月の車評オンラインは、そのホンダインサイトとトヨタプリウスを一部の車評メンバーと共に車評コースで評価したが、果たしてその同時比較の結果は如何に?


14回

クルマは白物(しろもの)家電とは異なり、作り手の意思や、作りこみにより完成品の味わいが大きく異なってくる稀有な工業製品だ。5月末に導入されたルノーコレオスの説明会でルノーが強調したのが、「フレンチシェフ」による、フランス的な味わいの作りこみだった。コンポーネントのほとんどはニッサンのXトレイルと共通だが、試乗評価の結果、フレンチシェフの腕前に脱帽するとともに、ブランド毎の個性の強化が急務な今の日本メーカーにとって、ルノーコレオスは大きな示唆を与えてくれる一台だ。


13回

1997年1月に日本に導入されたアウディA3は、2003年9月に第2世代にバトンタッチ、2004年9月にはスポーツバックが追加され、『車評50』では2.0L直噴エンジン搭載モデルを評価した。2008年9月、3種類のTFSI直噴ターボエンジンと2種類のSトロニックトランスミッションを搭載した新型A3スポーツバックがデビュー、その中で私が最も関心をもっていた1.4L TFSIと7速Sトロニックを組み合わせた新型スポーツバックをこのたび長距離試乗する機会がもてたので、その印象をお伝えしたい。


論評06

4月下旬オート上海(上海モーターショー)に行ってきた。近年の中国自動車市場の発展は目覚しいものがあるが、昨今中国に行く機会がなかったので、絶好のチャンスととらえ、カースタイリング誌主催の「オート上海取材ツアー」に参加した。往復を含めて4日の短いツアーだったが、最近これほど様々な角度から刺激を受けた4日間、あるいは海外旅行はなかったと言ってもいい。以下今回のトリップを通じて感じた事を断片だがお伝えしたい。


論評05

マツダのル・マン優勝最大の功労者で、日本のモータースポーツ界にとっても貴重な存在だった大橋孝至氏が去る3月、68歳の若さで逝去された。彼を中核に1967年に誕生したマツダスピードの前身がロータリーエンジンによるル・マン24時間レース挑戦を開始したのは1974年に遡る。以来18年、13回にもわたる「飽くなき挑戦」の末にマツダがル・マン総合優勝を果たしたのは1991年、大橋氏はその最大の功労者といえる。今回はマツダのロータリーエンジンによるル・マン挑戦の足跡を振り返りつつ、大橋氏のご冥福をお祈りしたい。


12回

スズキスプラッシュは昨年10月に日本市場に導入された欧州生産のスズキ車だ。昨年末に試乗し、デザイン、走りともに欧州車的な味わいの強い、魅力的なコンパクトカーとして好印象を受けていた。今回オーストリーに行く機会があったので、隣国ハンガリーの首都ブタペスト近郊にあるスプラッシュの生まれ故郷、マジャールスズキの工場まで足を伸ばすとともに、帰国後はスプラッシュの長距離評価を行なうことが出来た。以下ハンガリー工場訪問記とスプラッシュの試乗記をお伝えしたい。


11回

「新時代のコンパクトスタンダード」を目指した新型ホンダインサイトがデビューした。トヨタプリウスとは方向性の大きく異なる「主動力のエンジン+補助駆動のモーター」のハイブリッドシステムを搭載した5人乗りファミリーカーだ。世界的な経済危機という厳しい市場環境下でのデビューだが、専用デザイン、低燃費、総合的な商品魅力、魅力的な価格などがあいまって、好調な販売のスタートを切りつつある。4月からの環境対応車を対象とする取得税と重量税の免除も販売の支えとなるだろう。まずは第一報としての印象をお伝えしたい。


10回

マツダロードスターが産声を上げて今年でちょうど20年。1997年に2代目、2005年には3代目にバトンタッチされ、今日までに85万台を超えるロードスターが世界の人たちにライトウェイトスポーツカーの喜びを提供してきたが、初代から一貫して追求し続けてきたのが入手しやすい価格と「人馬一体」という基本コンセプトだ。今回「車評オンライン」で取り上げるのは2008年12月に導入された3代目の改良モデルだが、モデルチェンジといっても良いほど細部にわたる改良が施され、デザインや質感の改善に加えて「人馬一体」の面でも一段と前進していることが確認できた。


第9回

2008年後半はアメリカのサブプライムローン問題に端発した経済危機に起因して世界の自動車市場がかつて近年経験したことのないような激動期を迎え、回復の糸口が全く見えぬまま新年を迎えた。一日も早い世界の自動車市場の回復を期待したい。今回の「車評オンライン」では2008年に導入された多くの新型車のなかから「気になったクルマ6台」を選び、短評を加えたい。「えいや!」と選んだ6台のうち国産車は、ダイハツタント、トヨタiQ、日産エクストレイル(クリーンディーゼル)、輸入車はアウディA4、シトロエンC5そしてフィアット500だ。


第8回

去る6月には累計販売台数300万台を達成、加えて1995年以来合計12回にも及ぶベストセラー軽という輝かしい実績を残してきたワゴンR。このたびその4代目が導入されたが、スイフト以来大きく前進するスズキのクルマづくりゆえに期待を持って臨んだ導入後の試乗会で、先代を大幅に超える商品性を確認するとともに、所属するRJCはワゴンRを2009年RJCカーオブザイヤーに決定した。今回の「車評オンライン」では、自然吸気エンジンのワゴンRと、ターボエンジンのワゴンRスティングレーを3名の車評メンバーで実測燃費も含めて評価したのでご報告したい。


論評04

イギリス人のオートモーティブヒストリアン、ブライアンロング氏は、自動車の故郷ともいえるコベントリーで生まれの、根っからのクルマ大好き人間だ。イギリスの自動車産業の崩壊を身近に見てきた彼の目には、日本の自動車産業の将来は決してばら色ではなく、日本に住み、こよなく日本を愛する彼は、日本のクルマづくりに警鐘を鳴らすべく『英国からの警告』という本の執筆を決意した。年間200台近い内外のクルマへの接触を通じて「日本のクルマづくり」に対する危機感が高まっていた私は、この本の来春出版に向けて全面協力を約束した。そこで今回はそのさわりをご紹介したい。


第7回

2008年7月に発売されたこのモデルは、昨年10月に導入され、モータースポーツへの参画を視野に入れたランサーエボリューションの最新モデル、ランエボX(テン)の兄弟車と言ってもよいもので、中低速トルクを重視した2Lのインタークーラー付きターボエンジン、2ペダルのツインクラッチSSTトランスミッション、トラクション、旋回性能、制動性能を高次元でバランスさせたフルタイム4WDシステムなどを採用するとともに、日常走行領域における快適性も追求した、本格的なスポーツドライブを楽しむためのスポーツセダンだ。今回、栃木、福島方面への長距離評価を行なったので報告したい。


第6回

現在の日本は世界でも稀有なミニバン市場であり、各社からのエントリーも豊富だ。マツダにはMPV、プレマシーがあるが、去る7月、2〜2.3リッタークラスの中で最大級の室内空間を実現したビアンテが戦列に加わった。マツダには3年前まではボンゴフレンディーがあったが、ビアンテはそれとは方向性が大幅に異なり、多彩なシートアレンジに加えて、思い切ったデザインと運転する楽しさを追求したモデルであるという。今回、2Lの直噴エンジンと5速ATを組み合わせた7人乗りのFFモデル2.0CSを約700km、各種走行条件下で評価することが出来たので、その総合商品性を報告したい。


第5回

『車評 軽自動車編』で意図して軽自動車とは全くかけ離れたゴルフGT TSIを評価、そのツインチャージャーと6速DSGにより、スポーツカー顔負けの走りと、コンパクトカーも真っ青な燃費に脱帽した。その登場から一年半も待たずに、VWはターボ単独で過給した新型TSIと新開発の7速DSGを組み合わせたゴルフTSIトレンドラインを導入した。資源、温暖化問題、燃料価格の高騰などがますますクローズアップする昨今、サステイナブル(持続可能な)という言葉が幅広く使われているが、ゴルフTSIトレンドラインは持続可能なモビリティーへの更なる挑戦だ。果たしてその成果は?


第4回

2001年に誕生した初代ホンダフィットは、それまでのコンパクトカーの概念を破る居住性や使い勝手と経済性などにより、日本では96万台、欧州などで42万台、アジアパシフィック地域で23万台、中国で17万台、そして2006年から導入された北米では約8万台販売され、累計販売台数は200万台を超えた。2007年10月に6年ぶりにフルモデルチェンジした2代目は先代の魅力を一段と進化させることを目的に、パッケージング、使い勝手、走り、内外装デザインなどの大幅な見直しが行なわれたオールニューモデルだ。今回はその商品性を検証したのでお伝えしたい


第3回

2002年8月に生産が中止されたロータリーエンジン(以下REと略)搭載スポーツカーRX-7のあとをついで2003年5月に登場したRX-8は、新型RE(RENESIS)をフロントミッドに搭載(エンジン重心が前車軸より後ろ)、センターピラーのない世界的にも珍しい4ドア4人乗りスポーツカーとして日米欧市場を中心に5年間に約18万台の販売実績を残してきた。去る3月に細部を見直したマイナーチェンジ版が導入されたので、今回はその試乗記をおとどけしたい。


第2回

新型スマートフォーツーがデビューした。従来のモデルは1998年に導入され、日本での販売は2000年に開始されたが、この間85万台が生産され、国内では1.7万台が販売された。新型はデザインこそ従来モデルに非常に近いが、サイズはワンランクアップ、3気筒の1リッターエンジンを搭載、アメリカ市場での販売も開始された。今回はこの新型スマートフォーツーの試乗記とともに、日本の燃費測定モードのあり方への提案をしたい。


論評03

世界中のクルマファンから敬愛されてきたモータージャーナリスト、ポールフレールさん(以下ポールさん)が2月末、91歳の生涯を閉じられた。マツダ在籍中から今日に至るまでの32年間、心から尊敬する恩師として、また家族ぐるみで親しくお付き合いさせていただくことが出来たポールさんのご逝去を心からお悔やみするとともに、思い出の一端をご紹介したい。


論評02

毎年1月にGM、フォード、クライスラーのお膝元デトロイトで開催される北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)は、世界最大の自動車市場アメリカの自動車に関するこれからのトレンドを占う上で最も興味深いショーだ。今回は2008年デトロイトショーから私が感じたとった変化の潮流をかいつまんでお伝えしたい。


第1回

スズキセルボの新型追加モデル。直噴(DI)ターボエンジン+7速マニュアルモード付きCVTにより走行性能を大幅に高めた、セルボラインアップ中の最上級モデル。2006年11月導入のターボモデルの動力性能、ハンドリングなどの不満点が一掃され、走る楽しさ、気持ちよさが大幅に拡大した。


論評01

今回から三樹書房のホームページに「車評オンライン」という特設ページが開設されたため、当面は毎月一回程度、新車やクルマ作り全般に対する率直な思いを寄稿させていただくことになった。既に刊行した「車評・50」「車評・軽自動車」、今後発刊に結び付けたいジャンルの「車評」などとともに、少しでも多くの方々のお目に触れることを期待したい。


関係書籍のご案内
マツダ/ユーノスロードスター
マツダ/ユーノスロードスター
■定価2940円(税込)
■ISBN4-89522-072-9
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車評 軽自動車編
車評
軽自動車編
■定価1470円(税込)
■ISBN978-4-89522-498-7
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車評50
車評50
私たちが選んだクルマ50台
■定価1470円(税込)
■ISBN4-89522-479-1
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マツダRX-7
マツダ
RX-7
■定価2940円(税込)
■ISBN4-89522-442-2
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