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2024年12月23日

2024年12月8日(日)に催された谷保天満宮旧車祭2024に三樹書房/グランプリ出版は初めて出店しました。その概要をご紹介します。
この谷保天満宮旧車祭は、日本最古の自動車倶楽部と言われているAutomobile Club Japan (オートモビル・クラブ・ジャパン)が主催されているイベントです。オートモビル クラブ ジャパンは、明治41年8月1日に有栖川威仁親王殿下御先導による我が国初のガソリン自動車(タクリー号)による遠乗会の際に、この谷保(やぼ)天満宮において設立された自動車倶楽部で、以下のようにオートモビル ・クラブ・ジャパンのホームページで紹介されています。

明治40年(1907年)、東京自動車製作所を創業した吉田真太郎氏と内山駒之助氏によって製作されたタクリ―号(国産吉田式)。

(谷保)天満宮の梅林における食事会の席上、わが国初の自動車倶楽部(オートモビル・クラブ・ジャパン)が設立され、「自動車の将来について」語り合われました。

明治41年8月2日の東京朝日新聞には、その時の様子が詳しく記されています。
長岡外史(ながおかがいし)陸軍少将の発言(軍隊での自動車の利用)
『軍隊では之(自動車)を試験するようになった。殊に軍隊では将来これを砲車にも輸送車にも用いたいという希望を持っている、現在日本における自動車はその数に於いても制作に於いても決して盛んだと云うことは出来ぬが今日の如く自動車が十台余りも揃って遠乗会をしたことは自動車の為に記念すべきことでしかも今日この壮挙を試みることの出来たのは全く有栖川宮殿下の御奨励と御庇護に依るものである』と述べ殿下の万歳を三唱して一同之に和し更に自動車の万歳を唱えた』

矢野恒太(やのつねた)(第一生命創設者)の発言(自動車工業の芽生え)
「この機会を利用して自動車倶楽部を設立せんことをはかり一同これに賛同した(わが国初の自動車倶楽部は)谷保天満宮の梅林で設立された。

『現在多くの人々が乗っている馬車人力車は此の忙しい時代に仕事をする人の乗用車としては実に非文明的で又不便である。これは是非自動車の如き文明的なものに変えなければならぬが然し現在の自動車は余りに価が高いから誰でも之を買うということは不可能である、されば如何にしたら自動車を廉く作ることが出来るかを研究するのは刻下の急務であるがそれには相当の費用も要るし有力者の力も借りなければならぬ、是非諸君のご尽力に依って此の事を成功したいものだ』

宮様御一行は天満宮の拝殿に昇殿参拝された後、整備も不十分な道路で故障や事故も無く無事に帰途に就かれた」

谷保天満宮が(交通安全祈願発祥の地)たる所以といえます。

※オートモビル・クラブ・ジャパンのホームページより引用

「谷保天満宮旧車祭2024」の開催当日は、快晴に恵まれて、たくさんの来場者が集まりました。

本殿の前で行なわれた開会のあいさつ風景。
英国のオースチン・セブンをベースに製作された現代版の「タクリー号」。ナンバーを取得されているので一般公道を走ることができるそうです。

また、同日に発動機の愛好家の方々によるエンジン始動も行なわれていて、「ポンポン」という独特のエンジン音に囲まれて、会場はクルマ愛好家にとって絶好の場となりました。

筆者は初めてエンジン音を聞いたマツダオート三輪のV型2気筒エンジン。エンジン音は思っていた以上に静かでした。このエンジンは空冷のため、アイドリング状態でも長く置いておくとオーバーヒート気味になるそうです。

参加者の方々の全てのクルマは紹介できないのですが、その中のごく一部をご紹介することとします。

ドイツ車のBMWのイセッタもイギリス車のMGも歴史ある境内の風景に調和して、とても素敵でした。
12気筒のエンジンを始動すると多くの人が集まったカウンタック。
ショーカーのようなサーブ。筆者は今回、写真以外で初めて現車を見ることができました。

国産車もたくさん展示されていましたので、ご紹介します。

最近は街中でほとんど見ることがなくなったスバルアルシオーネ。
新車時についていたと思われるシングルナンバー(多 5)で当時の状態が保たれている日産セドリック。
戦後の富士重工業の傑作、スバル360。航空技術者が中心となって開発された名車。
ベレットは、いすゞ自動車が乗用車を開発していた時代の代表作。ブラックのボンネットやスポークタイプのホイールなど、60年代のスポーツカー雰囲気が感じられる一台。
第一期ホンダF1の監督であった中村良夫氏が設計の中心となって開発されたホンダスポーツ。

午後2時からは、1台ずつ参加車両の紹介をしたのちに「市内近乗会」となり、個性的なデザインのクルマたちは、独特の排気音を発しながら谷保駅のロータリーなどを走り、注目を浴びていました。

以下、いくつかの旧車を紹介しましょう。

「ネコ足」と称されるフランス車のしなやかな足回りが良くわかるシトロエン・アミ。
2サイクルエンジン独特の排気音と白煙を出しながら疾走するスバル360。
エンジンをリアに搭載し、FRP製のボディなどの採用により、走りの良さで世界ラリー選手権などでもその性能を発揮して活躍したアルピーヌA110。

今回、三樹書房とグランプリ出版は初めて出店しましたが、自然あふれる谷保天満宮の境内に国内外のさまざまなクルマが並び、ゆっくりと見学ができます。自動車ファンはもちろん、ご家族で楽しめるイベントでした。

写真協力:大柳覚 リポート作成/三樹書房 編集部

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