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2023年12月7日

2023年11月18日(土)、大阪府池田市のダイハツ工業本社敷地内にある史料展示館「Humobility World(ヒューモビリティワールド)」を訪問しました。その様子をお伝えします。(レポート:編集部)

ヒューモビリティワールドはダイハツの歴史や技術を紹介する史料展示館で、名称はHuman(人)とmobility(乗り物など)を合わせた造語です。

館内は2階から4階までの3フロアとなっていて、2階はダイハツが「発動機製造株式会社」として創業してから初期の歴史を中心とした展示がされています。受付の目の前には水田に水をくみ上げるために実際に使用されていた大きなディーゼルエンジンがあり、その大きさは大人の背丈を超えるほどです。

現存するもっとも古いダイハツ製発動機と説明される、LH-25型ディーゼル機関

その隣にはダイハツが最初に製造した三輪トラックHA型を先祖に持つHD型が展示されています。HA型を改良して、差動装置を組み込んだツバサ号が、2017年に日本自動車殿堂の歴史遺産車に選定されていて、賞状とトロフィーもあわせて飾られていました。

日本エヤーブレーキとの共同製作だった頃は「ツバサ号」として販売され、共同製作が中止されると「ダイハツ号」の名称に戻された
2017年度の日本自動車殿堂歴史遺産車に選定された「ダイハツ ツバサ号三輪トラック」の賞状とトロフィー

2階の一番奥は企画展のエリアで、訪問した2023年11月18日には「なつかしのクルマ展Ⅲ」と題して、三輪乗用車のBee、小型トラックのコンパーノトラック(2023年12月より三輪自動車SSP型に入替)が置かれていました。

ダイハツの三輪乗用車Bee(1951年発売)
1963年に登場したコンパーノはトラックの他にバンやワゴン、ベルリーナ(セダン)、スパイダー(オープン)と多くのボディタイプが生産された

3階は、1957年に登場したミゼット以降の各時代を代表するダイハツ車が、当時の時代背景の説明やイラストパネルなどとともに展示されています。ミゼットの展示の隣には発売当時の日本の家庭生活の模様を再現した部屋があり、ブラウン管方式のテレビでは当時生放送されていたミゼットのコマーシャルが再生されていました。

当時の雰囲気を再現した空間に置かれたミゼット(1957年発売)
ミゼットが活躍した1950年代をイメージした家屋
1966年に登場したダイハツで初めての軽乗用車フェロー
「5平米カー」というキャッチフレーズで登場した初代シャレード(1977年発売)
働く女性が手軽に買えておしゃれなクルマを目指した初代ミラクオーレ(1980年発売)
軽自動車初の電動ハードトップを採用した初代コペン(2002年発売)
“軽スーパーハイトワゴン”というジャンルをつくった初代タント(2003年発売)

また、このフロアでは海外での事業展開について紹介するコーナーもあり、軽自動車をベースにした一回り大きいアジア向けの小型車、アイラなどが展示されていました。

インドネシアで生産、販売されていた初代アイラ(2013年発売)

4階ではエンジンやステアリング、ブレーキなどの技術や、クルマづくりに関する体験型の展示があり、特にデザインや生産工程を説明するツールはゲーム感覚で楽しめるとあって、お子さんに人気でした。

クルマの「走る」「曲がる」「止まる」の仕組みを自分の手を使い体験しながら理解できる
スマートアシストなどの安全技術をジオラマと映像で説明している
軽自動車の設計やデザインを、タッチパネルを使って体験できる

このフロアには2代目のコペンが展示されていて、自由に乗りこむこともできるため、こちらも人気になっていました。

2代目コペン(2014年発売)は乗り込むこともできる

ヒューモビリティワールドの開館は土曜日のみではありますが、予約なしで見学ができるので、大阪方面にお越しの際はお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか。なお、本社工場の敷地内には予約制(有料)で見学ができる「コペンファクトリー」もあります。

■Humobility World(ヒューモビリティワールド)
所在地:大阪府池田市ダイハツ町1番1号
入場料:無料(ガイドツアー含む)
開館日・時間:毎週土曜日のみ
 午前の部:9:30~12:00(最終入館 11:00)
 午後の部:13:00~17:00(最終入館16:00)
※休館日:平日、日祝、GW、夏季休暇、年末年始(ダイハツ工業営業日に準じる)
予約:事前予約不要(企業・施設等の団体の場合は電話にて要予約)
駐車場:あり ※マイクロバス・観光バスは不可
ガイドツアー(当日申込・所要時間45分)
 午前の部:(1) 10:30~
 午後の部:(2) 14:00~ (3) 16:00~

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