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2023年4月24日

2023年4月8日(土)、モビリティリゾートもてぎ内のホンダコレクションホールにて、ホンダS2000開発者による講演会【ファンの集い】が開催されました。その様子をお伝えします(レポート:編集部)

ホンダS2000開発者による講演会【ファンの集い】(主催:三樹書房/グランプリ出版)が2023年4月8日(土)、栃木県芳賀郡茂木町のモビリティリゾートもてぎ ホンダコレクションホールで開催されました。この集いは書籍『ホンダS2000』(三樹書房 2022年12月発売)の刊行を記念した一環として企画されました。当日はあいにくの雨模様の天候でしたが、S2000のオーナーやファンなど100人以上が参加し、講演した4人の開発者の話に耳を傾けました。
講演したのは澤井大輔氏、唐木徹氏、清水康夫氏、塚本亮司氏の4氏です(清水氏は事前撮影による動画での参加)。

塚本亮司氏所有のS2000(2007年式)と記念撮影。左から澤井大輔氏、唐木徹氏、塚本亮司氏。

エクステリアデザイン担当の澤井大輔氏は、SSM(1995年の東京モーターショーに出展されたプロトタイプ)やS2000のデザイン開発について当時を振り返って話すとともに、今後のデザイン開発に触れ、言葉で指示すると絵を描くジェネレーティブAIがこの半年ほどの間に出現したことを紹介、デザインの世界のイノベーションが加速するであろうという見通しを紹介しました。

パワーユニット開発責任者の唐木徹氏は、S2000のエンジンは開発スタートから市販終了まで10年以上にわたって、商品力アップと法規制対応のため開発・改良を続けてきたことを解説しました。先行開発時点での方向性が正しかったことから、大きな変更をせずに済んだことや、リッター当たり出力では、S2000の販売終了まで世界一を守り続けたことが紹介されました。

VGS(可変ギヤ比ステアリング装置)基礎研究責任者の清水康夫氏は、同郷(群馬県)で、幼い頃からの憧れのエンジニアである、ゼロ戦設計者の堀越二郎氏の話から始め、ゼロ戦が操縦桿と昇降舵との間で、可変ギヤ比を実現していたことを紹介しました。自分も自動車の世界でこのようなシステムを実現したいと思い提案したのが、可変ギヤ比ステアリングであったといいます。その新たなステアリング装置の開発のために、ドライバーの注視点の観察から始めた基礎研究について、図版やグラフなどを使って説明しました。

車体開発責任者の塚本亮司氏は、S2000が「ホンダ創立50周年記念モデル」として、新しい走りを楽しめる21世紀のスポーツカーを開発し、世界のスポーツカーファンに手を届く価格で提供することを目的に開発が始まったことや、走りの方向性として高速域だけでなく、実用域で全域全感覚ドライビングプレジャーを目指したことなどを説明しました。さらに、EUサーベイ(欧州で認められる価値を調査するために、現地で行なわれた検証)を行なった際のエピソードなどを紹介しました。

講演終了後は、短時間ながら講演者と参加者との交流の時間が設けられ、サインを求めたり質問をしたりしている様子などが見られました。

会場内には、S2000に関する様々な展示が置かれ、参加者が興味深く見学していました。

まとめ:編集部

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