2019年4月8日
今年で4回目を迎えるAUTOMOBILE COUNCILが開催されました。その様子をお伝えします。(レポート:相原俊樹)
今年で4回目を迎えるAUTOMOBILE COUNCILが、去る4月5~7日にかけて幕張メッセにて開催された。「クルマを中心とした大人の趣味人が集う3日間」という副題を掲げた今年も、夢のように豪華な高級車が数々展示された。そのなかで、私にとって身近に感じられた4台を紹介しよう。
国産車のブースでは、マツダがロードスター誕生30周年記念モデルを展示して注目を集めていた。世界3000台の限定販売で、我が国の割り当ては150台。ソフトトップの「ロードスター」とリトラクタブルハードトップモデルの「ロードスターRF」の選択肢があり、価格は消費税込みで368万2800円~430万3800円。「レーシングオレンジ」の外装色を始め、RAYS社製の鍛造アルミホイール、”30TH ANNIVERSARY”オーナメント(シリアルナンバー付)、 レカロ製シート、ビルシュタイン製ダンパー(MT車のみ)、ブレンボ製フロントブレーキキャリパー(オレンジ塗装)など、多数の専用装備を備える。なお、商談予約は専用ウェブページのみでの受付となる。
海外勢からはフランス、イギリス、ドイツからそれぞれ1台ずつを紹介する。
1962年製のルノー・ドフィヌ1600レーシングは印象的だった。ドフィヌはルノーが1956~68年まで生産した実用小型車で、845cc の直列4気筒をリヤに搭載していた。展示車はそのドフィヌに徹底的なモデイファイを施した1台。ドフィヌにはルノーの有名なチューナー、アメディ・ゴルディーニが、排気量はそのままに専用チューンを施したスポーツモデルもあったが、この展示車はモデル名から察するに、はるかに大きなエンジンを搭載している可能性がある。ご覧のように吸排気系の効率を究極まで突き詰めたエンジンで、サイレンサーは完全にボディからはみ出しているが、れっきとしたナンバープレート付き。かつてラリーで活躍したアルピーヌA110を思わせる派手なカラーリングを纏ったこのルノーを公道で走らせたら、さぞかし爽快だろう。
イエローとグリーンに塗り分けられたジネッタG4にも心奪われた。ジネッタは1958年、英国サフォーク州にて4人のウォークレット兄弟が始めた小規模なスポーツ/レーシングカーのメーカーだ。フォード105E エンジンを積んだG4 は公道を走れるスポーツカーだったがレースでも強く、数多くの勝利を重ねている。当初はオープントップのみだったが、展示車のようなクーペ仕様が1963年に加わった。1961~69年までに総計500台程度が製作されたと言われる。透明アクリル樹脂製のサイドウインドーの開口部から覗いた室内はまさにコクピットと呼ぶに相応しい。ドライビングシートに着いただけでアドレナリンが身体中を巡りそうだ。
大阪のシンプルオートが展示した1971年製BMW2002Aは、少し旧いBMWを普段の足に使いたい向きには絶好の1台に思えた。なによりコンパクトなボディが好ましい。ウインドー面積を大きく取って、なにものに遮られることなく四囲の視界が開けているのは、現代の乗用車には望むべくもない美点で、これ自体が大切な「安全設計」だと思う。私が話を伺ったシンプルオートのスタッフによると、レストア作業のうち塗装だけは外注に出したという。腕のいい塗装職人がこうした手の掛かる仕事を引き受けてくれるのはありがたいことだと思う。ちなみにこの2002A、580万円の値札を下げていた。