2018年12月21日
新型ポルシェマカンの発表記者会見が開催されました。その様子をお伝えします。(レポート:相原俊樹)
12月19日、都内の会場にて新型ポルシェマカン発表記者会見が開かれた。今年はポルシェ創業70周年の記念の年。冒頭の、ポルシェ ジャパン代表取締役社長 七五三木 敏幸氏による「ポルシェ70周年活動の振り返りと71年目に向けた取り組みについて」と題したプレゼンテーションは聞き応えがあった。
とにかく今年はポルシェにとってトピック満載の1年だった氏はという。6月16~17日、富士スピードウェイで「Porsche Experience Day」が開かれ、翌18日にはターンパイク箱根を舞台に「919 tribute」が走行した。7月16日には、「Porsche Glamorous Camp」を開催、同月21日には新型カイエンが発売という具合だ。
七五三木氏は2019年も魅力的なポルシェを提供するという。日本はポルシェにとって世界で6番目の大きな市場であり、来年「顧客参加型モータースポーツ」を提唱する新たなプロジェクトを立ち上げるとの発表があった。2012年の竣工を目指し、千葉県木更津に世界で8番目の「Porsche Experience Center」を開設するのだという。
次いで、同社執行役員マーケティング部長 山崎 香織氏より新型マカンが紹介された。2013年に誕生したマカンは、ポルシェのヒット作であり、2017年末までに累計販売台数が31万8000台を越え、日本でも全体の販売の3割を占めるという。
なお車両説明に入るまえに、山崎氏がポルシェは戦略上、将来を見据えた重要なターゲットとしてデジタル世代を捉えていること、この世代にアピールする商品性に触れたことは興味深い。
新型マカンの特徴は次の3点に絞れそうだ。
1) ポルシェDNAが際立つ洗練されたデザイン。LEDヘッドライトを標準装備したほか、リアにもLEDライトストリップを採用。よりスポーツカー然とした流麗なフォルムに生まれ変わった。
2) さらに磨き上げられたドライビングダイナミクス。フロントサスペンションの一部をアルミ化して1.5kgの軽量化を達成。これにあわせて足回りの設定を見直すことで、一層シャープなハンドリングを実現した。排気量2リッターの直列4気筒ターボエンジンは燃焼室形状を見直すなどの最適化を図ることで、252psの最高出力と370Nmの最大トルクを生み出す。
3) 充実した安全装備と先進のインフォテイメントならびにコネクティビティ。新型マカンではアダプティブクルーズコントロール、車線変更時に斜め後方の車両の存在を知らせるレーンチェンジアシスト、車庫入れ時に画像と警告音で車両の前後の様子を伝えるサラウンドビュー付きパークアシストなどが標準装備となる。これら運転支援装置は、日本の顧客からのリクエストを反映して標準装備の運びになったという。
このように数々の装備を追加しながら、メーカー希望小売価格は699万円(消費税込み)で据え置きとした辺りにポルシェ ジャパンの「やる気」を感じる。なお、装備内容を充実させた「ファーストエディション(889万円〜)」および「シュポルトエディション(916万4000円〜)」という2つの特別版が当初デリバリー分として用意される。
新型マカンは、2019年夏より全国のポルシェ正規販売店にて販売が始まる。
創業70周年を充実のうちに終えようとしているポルシェ。来年もさらなる躍進を果たすに違いない、そんな期待を抱かせるこの日の記者会見だった。