2018年5月28日
モーガンカーズ・ジャパンが発足しました。その様子をお伝えします。(レポート:相原俊樹)
去る5月22日、東京・元赤坂の明治記念館にて、英国製スポーツカーファンだけでなく、広くクルマ愛好家にとって重要な記者会見があった。この日、ロータスの輸入販売で実績を積むエスシーアイ(株)が、英国のモーガン・モーター・カンパニーと日本国内での輸入販売契約を締結、正規輸入元:モーガンカーズ・ジャパンを発足させたことが発表になった。
今回、正規輸入・販売されるのはモーガン4/4、モーガン プラス4、モーガン ロードスター、そしてあのモーガン3ホイーラーの4車種。全国8店舗の正規販売代理店を通じて4月5日より国内導入がスタートしている。
当日は車輌の製作に関する技術的な解説もあり、日頃、書物でしか知る機会のない者として興味深く聴いた。以下は4輪に共通する特徴。基本骨格はスチール製ラダーフレームで、箱形断面とZ字形フレームを使いわけ、外側だけでなく内側も防錆処理を施される。アッシュ(トネリコ材)を用いたボディの骨格形成は同社のノウハウを駆使した見せ所の一つ。完成した木製骨格は防腐剤溶液を満たした水槽に”どぶ漬け”され、その上に独特の製法で成形したボディパネルを被せていく。どの製造工程も現代に伝わるモーガンの独自技術が活きている。
機構面では、4輪モデルのギヤボックスにマツダロードスター用を流用していること(ロードスターを除く)が私には耳新しく、今夏よりリヤサスペンションに5リンクを導入予定なことが発表になった。
発表当日、モーガンカーズ・ジャパン広報の谷田 恵美氏は「安心して乗っていただく環境作り」を強調し、今後さらなるモデルの拡張にも意欲を示した。年間生産量850台程度のモーガン、その正規輸入に踏み切るのはエスシーアイにとっても英断であったに違いなく、とりわけ3ホイーラーの型式認定取得にはかなりの費用と時間を要したと想像される。
しかしロータスの輸入販売で英国製少量生産スポーツカーの日本導入に実績を積んだ同社のこと、モーガンとのビジネスも順調に推移することを期待したい。自動車が白物化しつつある今、英国の伝統技術を象徴するハンドメイドのスポーツカーが正規輸入されるのは朗報だ、そんなことを感じたこの日の記者会見だった。