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2018年2月23日

第38回JAIA(日本自動車輸入組合)試乗会に参加しました。その様子をお伝えします。(レポート:相原俊樹)


 2月初旬、大磯プリンスホテルを拠点に開催された第38回 JAIA 輸入車試乗会に参加した。当日は普段なかなか乗れない輸入車を複数試すことができたが、そのなかから2台を選んで感想を記したい。

 まずはアルファ・ロメオ・ジュリア。イタリア車ファンのみならず、広く自動車愛好家が待ち焦がれていた1台だ。私はそのなかでもっとも温和(おとな)しい「スーパー」に試乗した。ドアを開けて目に飛び込んでくるインテリアがまずもって印象的。白とベージュを基調にした内装は開放感に溢れている。シートも座面がパンパンに張っておらず、包み込まれるようで心地よい。
 スターターボタンを押すと2l直4ターボはごく穏やかに始動、アクセルを少し踏むとジュリアは軽やかに走り出した。8速ATとのマッチングが完璧なのだろう、有料道路、一般道、屈曲路を問わず、一貫して滑らかな走りに徹する。ボディ剛性と足回りがうまく協調したこの乗り味は、一昔前のフランス車に相通じる。どこか一点が突出しているのではなく、全体が非常に高いレベルでまとまっていると感じた。アルファらしい刺激に富んだ走りを望む向きには上級モデルも用意されているが、ファミリカーとして普段使いに供するならこのスーパーは理想的な1台だろう。
 ジュリアが属するDセグメントには強力なライバルがひしめいている。目の肥えた顧客は、ブランド力に加えて高い信頼性を求める。些細なトラブルに足をすくわれることのないように。すっかりおとなの女性になったジュリアを眺めながらそんなことを考えていたら、「ヴァベーネ――大丈夫よ!」とテールライトがウィンクしたように見えた。

 ポルシェ・718ボクスターSはいまだにイグニッションキーを捻ってエンジンを始動する。もうそのときから「スポーツカーに乗るぞ」という気分が高揚する。2.5lフラット4は外で聞くと重低音を轟かすが、乗ってしまえばちょうどいい音量。
 試乗車はMT仕様だったが、クラッチ操作は容易だ。ミートポイントが床からごく近い位置にあり、少し左足を上げるだけですぐに繋がる。このあたりにポルシェはスポーツカーの専門メーカーだと感じる。アイドリング回転で繋がり始めたら、クラッチの締結力が強まるのに合わせてスロットルを開けていくと、ボクスターはいとも滑らかに発進した。
 ペダルを踏む。ステアリングを切る。そうした操作に要する力がごく自然なのも大切な要素だ。パワーもトルクも充分以上だからとても乗りやすい。スロットルを踏んだときの反応が自然で、思い通りの加速が得られる。知らなければ最後まで自然吸気だと思っていただろう。シートの調整高によってボンネット左右の峰が視界に入るのはポルシェ伝統の美点だ。車輌感覚が掴みやすいのはスポーツカーとして重要な”性能”だと思う。湘南沿いの道路から屈曲路まで、乗り慣れたクルマのようにボクスターを操ることができたのはこのおかげだった。

 JAIA試乗会では、だれもが笑顔を浮かべている。取材にやって来た参加者はもちろん、試乗車を出展するインポーターの代表も、イグニッションキーを受け渡すスタッフも。自動車を愛する人たちの大切な場となっている。この意義深いイベントが長期安定的に開催されることを祈ってやまない。

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