2016年5月31日
【編集部より】2016年5月29日、神奈川県川崎市の多摩川河川敷において、多摩川スピードウエイ80周年記念プレート除幕式が行われました。
■日本初の常設サーキット
川崎市中原区の丸子橋付近の多摩川河川敷には、多摩川スピードウエイの跡地が現存します。多摩川スピードウエイは1936年に、日本初の常設サーキットとして開場し、第2次大戦前に数回開催されたレースには、本田宗一郎をはじめとして、日本の初期の自動車産業発展に寄与した多くの人や企業が参加しました。河川敷に設置されたコースは1周1.2kmのオーバルコースで、堤防につくられたコンクリート製の観客席は3万人の収容人数を誇りました。
■川崎市としても跡地保存を採択
今ではコースの面影はほとんど残っていないものの、観客席は現存しており、今回設置された80周年記念プレートは、観客席の残る斜面に設置されました。記念プレートを設置した「多摩川スピードウエイの会」は、同スピードウエイの跡地保存と日本のモータースポーツ黎明期の歴史的意義の研究・情報発信を目的として有志が集まり活動する団体で、その活動の成果もあり、今年2016年3月には川崎市が発表した行政ビジョン「新・多摩川プラン」の一環として、跡地の保存が採択されています。
■カーチス号とブガッティT35Cの実車を展示
当日は同会副会長の小林大樹氏、川崎市長の福田紀彦氏のほか、ヴェテランカークラブ東京の会長でタレントの堺正章氏や日本クラシックカークラブ(CCCJ)役員の山本英継氏も駆けつけて、80周年プレートが除幕されました。会場には戦前ここで行われたレースに実際に参加し、現在栃木県のホンダコレクションホールに保存されているカーチス号(1924年)とブガッティT35C(1926年)の実車も展示され、集まった人々の注目を集めていました。