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2015年7月24日

『フォルクスワーゲン ビートル 3世代にわたる歴史と文化の継承』の著者、武田隆さんに読みどころを教えていただきました! 

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3世代の”ビートル”のストーリーを1冊にまとめました。
VWは今、世界でも最高峰のクルマづくりが評価されており、最新のVW車に接すると、その完璧ぶりをここかしこで感じます。
しかし、そんなVWにも悩みがある時はあるわけで、簡単にいえば、だからこそ偉大な初代ビートルの後継モデルが誕生したといえます。
ニュービートル(2代目)の市販化は、先頃監査役会長から引退したフェルディナンド・ピエヒ氏が決断をくだしたものでしたが、その経緯はなかなかドラマチックでした。

今のVWは、モダンで実直でスマートですが、あまり自分を強くアピールしないというイメージもあり、そこがよさであるいっぽう、弱点でもあります。
新生の”ビートル”は、その殻を破ったり、堅さを和らげる役を果たしてきているようです。
ニュービートルは、デザインに特化したおもしろさがあり、たいへんチャーミングですが、
流線型を拒否するなど、ある種不器用なクルマにも見えます。
そこがドイツらしいとも思うのですが、いっぽう次の3代目の”ザ・ビートル”ではコンセプトを少し修正して、そういった点を着実に乗り越えてきており、それがまたドイツらしい完璧さ、とも思います。
ちなみにビートルの復活には、初代ビートルがアメリカで神話的な成功をしたことが影響しています。

本書は、カタログや広告で、3世代のビートルの変遷を追ったカラー頁がメインで、時代背景も見てとれる、見ごたえのある図版が豊富に紹介されています。
タイプ1ビートルの資料は100頁近くになり、各年代の進化については少し”マニアックに”追いました。
ビートルの1960年代の知性に富んだ広告は非常に有名で、それらも紹介していますが、時代を追って頁をめくっていくと、戦後のVWがビートルをどのように考え販売してきたのか、その哲学を理解できるかと思います。

モノクロ頁では、3世代各車の開発ストーリーと進化変遷を追っています。
近年の2代目、3代目の誕生ストーリーはあまり知られていませんが、興味深いものがあります。
そしてやはり偉大な初代タイプ1があってこそのビートルであり、そのストーリーは、できるかぎりくまなく仔細に追うようにしています。始まりは1930年代のことでした。
夜ごと頁をめくり、”ビートル・ワールド”を是非楽しんでいただけたらと思います。

武田 隆

『フォルクスワーゲン ビートル 3世代にわたる歴史と文化の継承』詳しくはこちら

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