2012年6月27日
◆初めて低圧縮比14.0を達成したディーゼルエンジンを搭載するマツダCX-5をテストしてみました
マツダCX-5は、日本では数少ないクリーンディーゼルエンジン搭載車です。
また、”スカイアクティブテクノロジー”という新しい技術がこのクルマには導入されているので、やはりエンジン性能が堪能でき、また燃費もより正確に計測できる長距離リポートを実行することにしました。コースは東京から名古屋間の往復で、新東名高速を利用して高速主体で総走行距離は約800km、新時代のディーゼルエンジンを十分に体験できたツーリングでした。
スカイアクティブテクノロジーとは?
ここでスカイアクティブについて、こちらの取材から得た情報をお伝えしましょう。スカイアクティブが注目されているのは、単なる新しいエンジン技術だけではないということなのです。マツダの上層部は、若いエンジニア達に「燃費も良く走りも良い、新技術を考えてくれ」と指示を出したといいます。しかし、当初提案された新技術の多くは、他メーカーも考えていることとそんなに変わることは無く、上層部として満足できるものではなかったそうです。そこで、さらに考え抜いて出した回答が、この”スカイアクティブテクノロジー”だったのです。マツダが進めているのは、新しいエンジン技術への挑戦と共に、生産技術も実験部門も含めた「モノづくり革新」。これは簡単に言えば、開発部門も実験部門も生産部門もすべてが一体となって、それぞれがベストなモノを作るという事です。これは確かに「当たり前」のことに聞こえます。ただ、今までは世界のどのメーカーも上記の3部門が一体となって開発を相談して意見を出し合い、議論して…ということは分野が異なるために非常に困難なことだったと聞きます。マツダは、各部門の代表者を出して組織の壁を一切取り去って話し合う、という思い切った施策で今回のモノ作り革新も含めた”スカイアクティブテクノロジー”を強力に推進していったそうです。「スタートは、確か15年以上も前とのことであり、生産工場までも”スカイアクティブテクノロジー”の実現のためには新設しなければならなかった」と関係者は答えています。
あくまでもエンジンの改良にこだわるマツダ技術陣
内燃機関をはじめ、様々なクルマの構成部品にさらなる改良を加えて走りと燃費を改善するというのは、いかにもマツダらしい考え方だといえます。技術の基本は”シンプル・イズ・ベスト”ですから、電気モーターや大きなバッテリーなどのハイブリッドなどは、まったく異なる発想といえるでしょう。
CX-5のテスト車は、CX-5 のXD(クロスディーが正式呼称)で4540mm×1840mm×1705mm、車重は1610kg、水冷直列4気筒・2188ccで最大出力は、129kw(175ps)/4500rpm、ミッションは、アクティブマチックという名の電子制御6速オートマチックで価格は2,790,000円のモデルでした。
走りに関しては、ディーゼルエンジンらしくトルク感があって、サスペンションは国産車では欧州車に近くしなやかな乗り心地。前後シートはサイズも大きくゆったりとして十分でしょう。走りに関してはエンジン音もかなり静か、室内の静粛性も高くて時速100キロ走行時でタコメーターは、1800rpmという低回転を示していました。さて燃費の方は、行きは447.21kmで給油が32.09リッターで燃費は13.93キロ、帰りは371.4kmを走り27.11リッターを使用したので13.69キロという結果になりました。トータルの平均燃費は13.65キロになります。CX-5の公称燃費がJC08モードで18.0キロ、10・15モードは19.0キロですから、25%程度悪い数値です。
ただ今回の試乗テストでは、常時エアコンを使い、大人4人が乗車して、荷物は20kgぐらいで、積載量は250kg以上ありました。また無理なエコ運転は意識しないであくまでも交通の流れに沿った走りでの記録ですから、”スカイアクティブテクノロジー”のディーゼルエンジンの経済性は、十分評価できるという結論です。
編集部