第10回 2015年/ドライバーズ部門、チーム部門で2連覇達成

2025年3月27日

2014年のスーパーGTで、23号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリが2勝を挙げてドライバーズ部門でチャンピオンに輝いたほか、NISMOがチーム部門でチャンピオンを獲得するなど、R35型GT-Rを武器に圧倒的な強さを見せつけたニッサン勢。その勢いは2015年も健在だった。

2015年もNISMOの1号車「MOTUL AUTECH GT-R」を筆頭に、TEAM IMPULの12号車「カルソニック IMPUL GT-R」、KONDO RACINGの24号車「D’station ADVAN GT-R」、MOLAの46号車「S Road MOLA GT-R」と、計4台のR35型GT-RがGT500クラスにエントリーした。 開幕戦の岡山国際サーキットでは苦戦を強いられ、ニッサン勢の最上位は、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラによる7位入賞に留まったが、第2戦の富士スピードウェイでは1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリが予選でベストタイムをマークし、ポールポジションを獲得した。 2番手に続いたのは、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラで、ニッサン勢が決勝のフロントローを獲得。この上位2台は決勝でも安定した走りを披露しており、1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリがポール・トゥ・ウインを獲得したほか、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが2位につけており、GT-Rが1-2フィニッシュを達成した。 続く第3戦のチャン・インターナショナル・サーキットでは、46号車「S Road MOLA GT-R」の本山哲/柳田真孝が素晴らしい走りを披露しており、予選3番手からの逆転でシーズン初優勝を獲得した。 さらに第4戦の富士スピードウェイでは、予選で6番手に出遅れていた24号車「D’station ADVAN GT-R」の佐々木大樹/ミハエル・クルムが逆転勝利を獲得したほか、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが3位となった。12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは、第5戦の鈴鹿サーキットでもニッサン勢の最上位となる3位で表彰台を獲得するなど、順調な戦いぶりを披露していた。

終盤戦でもニッサン勢は好調だった。第6戦のスポーツランドSUGOで46号車「S Road MOLA GT-R」の本山哲/柳田真孝が予選でトップタイムを叩き出したほか、決勝でも2位、それに続いて24号車「D’station ADVAN GT-R」の佐々木大樹/ミハエル・クルムが3位に入賞した。
第7戦のオートポリスでも12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが予選でトップタイム、1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリが3番手タイムをマークすると、決勝では1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリが逆転でシーズン2勝目を獲得した。 さらに最終戦となる第8戦のツインリンクもてぎでも、2連覇に挑む1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリが猛威を発揮。雨の予選こそ12番手に大きく出遅れていたが、スタート直前に雨が降り、スタート後に路面が乾き始めた決勝ではジャンプアップに成功、2位入賞を果たした。この結果1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリがドライバーズ部門で2連覇、チーム部門でもNISMOが2連覇を果たしたのである。

「ロニーが前半をがんばってくれたし、ピットワークもすごかった。後半はバックマーカーが絡んで精神的にもタフなレースになりましたが、王者らしい良いレースができたと思います」と松田が語れば、「スタート前に雨が降って、ウエットスタートになったことがチームとしてはラッキーでした。少ない雨量の時のレインタイヤのパフォーマンスを信じてフルプッシュできたことで戦略的にも楽になりました。次生くんの走りもすごかったね」とクインタレッリはコメントしている。
そのほか、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがドライバーズ部門で2位、TEAM IMPULがチーム部門で2位につけるなど、2015年もニッサン勢の強さが目立つシーズンとなった。

ディフェンディングに挑む1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生/ロニー・クインタレッリが第2戦の富士でポール・トゥ・ウインを達成。12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが2位に入賞した。  
第3戦のタイで、46号車「S Road MOLA GT-R」の本山哲(前列左から2人目)/柳田真孝(前列左から3人目)が初優勝。「予選でポールポジションを取れなかったのは残念でしたが、レースには自信がありました。久々に優勝できてうれしい」と本山が語れば、柳田も「途中で水温が上がりましたが、スタッフを信じて安心して走りました。久しぶりの優勝なのでうれしい」と語った。  
第4戦の富士で主役となったのは24号車「D’station ADVAN GT-R」の佐々木大樹/ミハエル・クルムだった。予選6番手からの逆転でシーズン初優勝。「終盤は暴れるマシンを抑えながら必死に走りました。ゴールした瞬間は感極まってしまいました」と佐々木、「11年ぶりの優勝だったので格別です」とクルムがそれぞれ語るように、両者にとって価値ある勝利となった。  
第5戦の鈴鹿サーキットは1000kmのロングレース。12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが3位で表彰台を獲得し、ポイントランキングで首位をキープした。
第6戦のスポーツランドSUGOで46号車「S Road MOLA GT-R」の本山哲/柳田真孝がポールポジションを獲得。決勝でも2位で表彰台を獲得した。「セーフティカーの導入で15秒のマージンを失うことになり、流れが変わったのは不運でした」と語る本山。24号車「D’station ADVAN GT-R」の佐々木大樹/ミハエル・クルムが3位で表彰台を獲得した。  
第7戦のオートポリスでシーズン2勝目を獲得した1号車「MOTUL AUTECH GT-R」の松田次生(右から5人目)/ロニー・クインタレッリ(右から4人目)が第8戦のツインリンクもてぎで躍進。予選こそ12番手に出遅れたが、決勝では2位入賞を果たし、2連覇を達成した。「勝因はチーム全員の諦めない気持ちに尽きます。本当にNISMOらしいレースができ、チャンピオンに結びつけることができました」と語るのはNISMOの鈴木豊監督(右端)で、その言葉どおり、チームワークで掴んだ2連覇だった。  
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