書籍情報

朝日新聞社訪欧機 神風

東京─ロンドン間国際記録飛行の全貌

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山崎明夫編著
■定価 本体3,800円+税
■ISBN978-4-89522-446-8
■2005年1月発売
国産エンジンと機体による「神風号」は、昭和12年に日本機では初めて欧州往復に成功し、日本の航空技術の高さを世界に実証した。関係者の資料・写真や文書をもとにその軌跡を追う。A5判
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記憶の断章 –序文に代えて– 塚越恒爾/9
前書き/13

第一章 大正十四年の朝日新聞訪欧大飛行「初風」「東風」が残した課題
世紀の大計画/21 「初風」「東風」の教訓/30 「初風」「東風」が果たせなかったこと/34

第二章 「神風」の飛行概要
一九三七年四月九日午後三時三十分(グリニッジ時間)、ロンドン/37 国際飛行記録/39 「神風」の国際記録と国産機の意味/41 朝日新聞「神風」—- 訪欧計画の概要/45 二人の航空部員/47 世紀のキャンペーン/50 二度の出発/52 地上給油時間との闘い/55

第三章 飯沼正明操縦士と塚越賢爾機関士について
スターとなった飯沼正明/62 寡黙なる塚越賢爾/72

第四章 「神風」訪欧飛行完成 記念写真帖
久邇宮朝融王殿下/80 東久邇宮殿下/80 秩父宮両殿下/81 秩父宮両殿下 畏くも謁を賜ふ/82 秩父宮両殿下 ロンドンにて「神風」機台覧/83 神風機凱旋の当日/84 閑院宮殿下 畏くも謁を賜ふ/84 三笠宮殿下「神風」を台覧/85 「神風」の世界記録公認さる国際航空連合会から正式に/86 雲海上を快翔する「神風」の要目、性能/86 両搭乗者 明治神宮に参拝/86 栄光に輝く命名式/86 出発式の盛観/87 送る歓呼の嵐/88 「神風」出発/88 台北/88 ハノイ/90 カルカッタ/91 カラチ/91 バグダッド/92 アテネ/94 ローマ/94 パリ/94 ロンドン到着 大記録樹立/96 ロンドン到着の両名/97 歓迎の大群衆を潜って宿舎へ/98 到着当夜、朝日新聞社前の欣喜/98 大阪の祝賀会/98 学童の旗行進/99 東京の祝賀会/99 手記を書く飯沼操縦士/99 母国へ国際放送/100 「神風」の奉迎飛行/102 日本協会主催の歓迎午餐会/102 親善飛行 ベルギーへ/102 ベルリンへ/104 無名戦士の墓に花環を捧ぐ/104 ドイツ空相訪問/105 再びパリへ 鳥人の交歓/106 ジャピー家の晩餐会/107 フランスより勲章を贈られる/108 ローマ訪問/108 伊政府から叙勲/110 ロンドン市長 破格の招待宴/110 ロンドン出発、帰還飛行/112 大阪に帰還/113 大阪の大歓迎会/114 大阪出発、東京に帰還/115 東京に凱旋大飛行往還 航程を完翔/115 栄光に輝く 勲章伝達式/116 凱旋祝賀会/116 宮城遥拝/116 銀座の凱旋風景/116 凱旋の当夜 東京の提灯行列/116 両名参内/118 大宮御所に伺候 宮家に御礼言上/118 明治神宮外苑の凱旋報告会/118 逓相の表彰式/118 日比谷大音楽堂における祝賀会/118 大阪に正式凱旋/120 本社内の歓迎会/120 本社前の歓呼に応ふ/120 大阪凱旋のその夜の感激/120 大阪における軍官民祝賀会/120 伊勢神宮に完成奉告/120 大飛行完成報告会/121

第五章 日本の記録飛行
日本国内の記録飛行(「航空年鑑」昭和十五年版を参考)/123 海外から日本への記録飛行/128

第六章 東京–ロンドン記録飛行一万五千キロ
亜欧連絡記録飛行 往航九十四時間 まえがき/133 今ロンドンのホテルで感謝しつつ、飛行の報国記を記す。/134 南支の空/136 無気味な密雲/136 辺境に第一夜/137 密林また密林/137 疲労の極点に達す/138 一触の危機/138 ジョドプール飛行場/139 異境の日章旗/140 死の荒野/140 天下一品の握飯/141 沙漠の薔薇/142 強引に直進/142 南欧の空/143 ローマ着/144 アルプスの美観/144 大歓迎の坩堝に飛び込む/144 ゴール・イン/145

第七章 新聞社の大競争時代
膨張する大衆メディア/147 新聞社小史/147 新聞社主催のイベント/149 ニューメディアの誕生/154

第八章 朝日新聞社航空部
「神風」を生んだ朝日新聞の航空志向/157 東西定期航空会の設立/158 大正末の訪欧飛行/162 大陸のニュースをいち早く/168 速度を求める新聞社と国産機/174 新聞社の選ぶ外国機/180 読売の猛攻/182 電子技術と新聞社航空部の変化/185 航空部の証言者/187 「神風」計画の実務をこなした男/192

第九章 国内の「神風」報道 –朝日新聞を中心として/202

第十章 海外報道を読む–「神風」=ディバイン・ウィンド、ヨーロッパの記録
「エアロプレーン」誌(一九三七年四月十四日)より抄訳/253 四月七日 イラク・タイムズ(The Iraq Times)/254 四月八日 イラク・タイムズ(The Iraq Times)/255 四月九日 イラク・タイムズ(The Iraq Times)/255 四月九日 英 デイリー・スケッチ紙(Daily Sketch)/255 四月九日 英 デイリー・メール(Daily Mail)/256 四月九日 英 イブニング・ニュース(The Evening News)/256 四月十日 英 デイリー・ヘラルド(Daily Herald)/257 四月十日 英 ザ・モーニング・ポスト(The Morning Post)/258 四月十日 英 デイリー・スケッチ(Daily Sketch)/259 四月十日 英 ニュース・クロニクル(News Chronicle)/259 四月十日 デイリーエクスプレス(Daily Express)/261 四月十日 ザ・デイリーテレグラフ(The Daily Telegraph)/262 四月十日 ザ・タイムズ(The Times)/263 四月十日 英 デイリーメイル(Daily Mail)/264 四月十日 英 ザ・デイリーミラー(The Daily Mirror)/265 四月十七日/265 四月二十一日/266

第十一章 ロンドンで語り継がれる「神風」
クロイドンの記憶/272

第十二章 「航空黄金時代」としての一九三〇年代
エアレースと記録飛行の黄金期/281 初期エアレースの足跡と日本人の接点/282 懸賞金と航空機の発達/288 リンドバーグ神話の誕生/292 クロスカントリーレース/294 日本が関与した懸賞飛行/295 エアレースと第二次大戦への影響/299 航空黄金時代に生きた人物/304 全金属機技術と家内製造の衰退/310
第十三章 「神風」を生んだ日本航空界の実力
純国産機の世界デビュー/316 日本の陸海軍航空隊と英仏航空指導団/320 国産技術への過剰なる期待感/326 戦略偵察機キ–15と自立する機体技術/328 「九七式司令部偵察機(キ15)」より一部引用/332 模倣と独創/336 機体「三菱」、発動機「中島」の組み合わせ/340 イスパノ問題に揺れた日本海軍 –深尾淳二と三菱発動機の苦悩/345 素早く空冷星形を選択した中島飛行機/348 三菱ついに「金星」の誕生/352 「金星」と「ニッポン号」/355 中島–空冷星形エンジンの系譜/358 機体エンジニアたちの百花繚乱/364

第十四章 「神風」が飛んだ一九三七年の世界
「神風」を取り巻く国際環境/373 吉田茂と「神風」/379 好景気の前兆/383 ベルリン・オリンピックから東京オリンピックへ/384 ベルリン五輪の遺産/388 オリンピックと電子技術と新聞社航空部/393 「神風」とジェットエンジン誕生の瞬間/396

第十五章 「神風」–そして民間航空への系譜
商業航空への模索/402 朝日新聞航空部–民間航空の礎として/406 「現在窮乏、将来有望」–全日空への歩み/413 サラブレッドのごとく俊敏に、蛇のごとく執拗に/417

「神風」の全貌 年表/427
参考及び引用文献/437
あとがき/445

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