空気の階段を登れ
黎明期にはばたいた民間飛行家たち
新装版■定価 本体3,800円+税
■ISBN978-4-89522-552-6
■2010年6月発売
本で最初の飛行が成功したのはライト兄弟の初飛行からわずか7年後のことだった。翼の魅力に憑かれ、日本の航空界を切り開いた先駆者たちを描いた名著。2006年刊行の同書の新装版。A5判
序 文 三樹書房 編集部
高い評価をすべき日本の航空先駆者たち 木村 秀政
第 一 部
1 木枯し吹く代々木練兵場
2 ライト兄弟の活動大写真
3 国産奈良原機初めて飛ぶ
4 飛行機に憑かれた男たち
5 奈良原式鳳号の晴れすがた
6 鳳号、地方巡回飛行を開始
7 民間初の殉難者、武石浩玻
8 大口苦心の鳥飼式隼号完成
9 伊藤音次郎、失意のとき
10 少年、山縣豊太郎との邂逅
11 隼号で、空気の階段を登れ
12 いよいよ伊藤式恵美号製作
13 伊藤式恵美1号機はばたく
14 音次郎、空から帝都を訪問
15 信州松本の芸妓・亀勇と
16 音次郎の空飛ぶ旅路始る
17 紛争続きの空飛ぶ旅路
18 かがり火で、初の夜間飛行
19 民間航空発祥の地、稲毛
第 二 部
1 伊藤飛行場、津田沼で再建
2 白戸、後藤らシベリアへ出征
3 烈風中のループ・ザ・ループ
4 第一回懸賞郵便飛行競技大会
5 中島知久平、川西財閥と袂別
6 友よ、それでも雲は遠かった
7 後藤勇吉、弱馬力機で奮闘
8 株式会社・伊藤飛行機研究所
9 音次郎門下、井ノ長の台頭
10 伊藤式恵美31型飛行艇はばたく
11 幹線結ぶ東西定期航空会の発想
12 稲垣知足技師長、英仏へ留学
13 関東大震災と飛行機の活躍
14 画期的な無尾翼機の開発
15 外国機、しきりに日本縦断
16 日本航空輸送研究所の試練
17 初風・東風、一路ヨーロッパへ
18 新知識・稲垣知足の帰朝
19 満州航空と軽飛行機クラブ
年 表
あとがき
解 説 佐貫 亦男
【著者】平木國夫(ひらき・くにお)
1924年8月6日、石川県七尾市に生まれる。徳田小学校卒業。千葉工業大学予科終了。大日本飛行協会横浜飛行訓練所で水上機の操縦訓練を受け、学生長で学生助教のとき学鷲血盟同盟特攻隊が成立、編入されたが、敗戦の日を迎えた。民間航空再開後、事業用操縦士の免許取得、伊藤忠航空輸送運行課長、日本航空機輸送運行部長、運輸省航空大学講師(民間航空史)を歴任。現在は文筆業(作家)で、人間像同人、日本文藝家協会会員、航空ジャーナリスト協会副会長。著書に『イカロスたちの夜明け』(朝日新聞社)、『羽田空港の歴史』(朝日新聞社)、『バロン滋野の生涯』(文藝春秋)、『小説家内田百閒と航空学生たち』(酣燈社)ほか多数。